/ 9/22(火)連休中間版
半導体全面高と原油急落——東京が動けない3日目
9/21の米国市場はNASDAQ総合+2.26%・SOX指数+4.29%の半導体全面高で、同じ日にWTI原油が急落した。東京は本日9/22も休場で、この値動きに手を出せるのは9/24(木)の寄りからになる。
データ時点: 日本株=9/18大引け確定値(4営業日前・本日を含め東京は休場)/米国株・SOX・米セクターETF・商品・暗号資産・為替=9/21終値/日経225先物=9/21 大阪取引所 祝日取引の日中立会終値
相場が動いている最中に市場が閉まっている、という状況がいま3日目に入っている。東京は9/19から9/23まで3営業日連続で休場で、本日9/22は9/21の敬老の日と9/23の秋分の日に挟まれた「国民の休日」にあたる。次の取引日は9/24(木)である。
その休みの間に、米国が大きく動いた。9/21の米国市場はNASDAQ総合が+2.26%の27,122.09、SOX指数が+4.29%の12,433.17で、同じ日にWTI原油が急落した。日本の投資家はこれを4営業日分まとめて9/24の寄りで受け取ることになる。以下に出てくる日本株の数字はすべて9/18大引けのもので、本日の変化ではない。
今日の要点
- 9/21の米国はNASDAQ総合+2.26%(52週レンジ内位置100%=年間高値)、S&P500 +1.49%、SOX指数+4.29%。インテル+12.14%、メタ+11.43%、AMD+9.95%(過去最高値・取引時間中に時価総額1兆ドル)と、GPU以外の上げ幅がエヌビディア+2.30%を大きく上回った。
- WTI原油はスクリプト値で91.89ドル・−8.38%。ただし下落率は出所によって−2.7%〜−8.4%と食い違い、10月限の満期が9/22に来るため限月ロールによる系列の不連続が疑われる。下落方向は全出所一致だが、幅は確定できないものとして扱う。
- 東京は本日も休場で、日本株の数字は9/18大引けのまま(日経平均65,018.95円、東証プライムの上昇比率33.8%)。9/24は日銀の新政策金利1.25%の適用開始日であり、同日に米中首脳会談も開かれる。
ヘッドライン
サーバーCPUに需要が回るという読み替えで、半導体が全面高
9/21の米国市場は半導体が主役だった。SOX指数は+4.29%の12,433.17で5日では+11.70%。内訳はインテル+12.14%、AMD+9.95%(過去最高値、取引時間中に時価総額1兆ドル到達)、アーム+13%、そしてメタが+11.43%の741.25ドルである。NASDAQ総合は+2.26%の27,122.09で52週レンジ内位置100%、つまり年間の高値をそのまま更新した水準にいる。
きっかけはメタが9/8に投入した個人向けAIエージェント「Muse」で、9/18に米国のApple App Store(無料iPhoneアプリ)で首位に立ち、10日で73万超のダウンロードを記録したとSensor Towerが集計した。ウェルズ・ファーゴはメタの目標株価を640ドルから796ドルへ、JPモルガンは投資判断をNeutralからOverweightへ引き上げている。
鎖の形はこうなる。エージェント型AIは「問いに答える」のではなく「手順を実行する」ため、推論1回あたりのトークン量と汎用CPU側の処理負荷がチャット型より大きい。これまでAI投資の受益はGPU=エヌビディアに集中していたが、サーバーCPU(インテル・AMD・アーム)にも需要が回るという読み替えが一気に進んだ、という筋書きである。実際この日はエヌビディア+2.30%に対してAMD+9.95%・インテル+12.14%と、GPU以外がGPUを大きく上回った。
見ておきたい点は4つ。9/23開幕のMeta ConnectでザッカーバーグCEOがMuseの次期AI製品をどう位置づけるか。SOXの12,433.17が9/22・9/23の米国セッションで維持できるか(12,000割れなら1日天井の形)。エヌビディアの出来高が20日平均比0.81倍と上昇に伴っていない点。そしてAMDが1兆ドル台に定着するかどうかである。
WTIが急落、米10年債は4.96%へ。ただし下落率は出所で食い違う
トランプ大統領がFOXニュースで、国連総会(9/22〜29)の場でイランのペゼシュキアン大統領と会談することに前向きだと述べた。あわせて米中央軍(CENTCOM)司令官が、ホルムズ海峡の原油・LNG輸送が6か月ぶりの高水準まで回復し機雷等の脅威も後退したと議会で証言している。WTI原油はスクリプト値で91.89ドル・−8.38%(9/18→9/21)まで下げ、米エネルギーセクター(XLE)は−2.88%で11セクターの最下位になった。
ここは数字を丸めずに書いておく。同じ下落を、CNBCは−4.5%(95.78ドル)、株探は−4.15%、tradingeconomics.comは−2.73%(97.56ドル)としており、幅が−2.7%から−8.4%まで食い違う。10月限の満期が9/22に来るため、限月ロールで系列が不連続になっている疑いが強い。方向が下であることは全出所が一致しているので、「下げた」までを確定情報として扱い、幅は保留する。
経路としては、原油安→インフレ期待の後退→長期金利の低下→割引率の低下→高PERのグロース株が買われる、という流れがそのまま1日で通った。米10年債利回りは4.96%まで低下している。前項のAI材料が同じ日に重なったため、資金はエネルギーから半導体・通信サービスへ露骨に移った(XLE −2.88%に対しXLC +3.56%・XLK +2.77%)。
ただし同じ日に銅は+2.73%の6.80ドルで52週レンジ内位置100%にいる。原油と銅が逆方向なら、原油安の理由は需要の崩れではなく地政学プレミアムの剥落と整理するのが素直である。分岐点は本日9/22のNY時間に開かれるトランプ大統領とGCC首脳の会談で、水準の目安はWTIの90ドル割れか100ドル台回復、米10年債4.96%が5.00%へ戻るか4.90%を割るか、そして9/22〜24に3営業日連続で実施される米国債入札(2年・5年・7年)の需給になる。
次の取引日9/24に、日銀1.25%の適用開始と米中首脳会談が重なる
本日9/22は祝日法第3条第3項の「国民の休日」で東証現物は休場。9/19〜23の3営業日連続休場で、次の取引日は9/24(木)である。その9/24は、日銀が9/18に決めた新政策金利1.25%の適用開始日そのものであり、同じ日にワシントンで米中首脳会談が開かれる。習近平国家主席は9/23〜25の日程で国賓訪米(ホワイトハウス訪問は11年ぶり)で、議題はレアアース、半導体等のハイテク規制、台湾、自動車市場アクセス、釜山貿易休戦の延長とされる。
東証現物は休場だが、大阪取引所のデリバティブは祝日取引を実施中である(JPX 2026-09-18告知、9/21〜9/23)。9/21の日中立会は12月限65,580円・前日比+480円で、出来高は9,863枚と9/18の25,752枚の4割弱にとどまった。ここで注意したいのは、日中立会が15:40引けで、米国の9/21セッション(22:30開場)より前に終わっている点である。つまりこの+480円には、上で書いた9/21の米株急騰が含まれていない。
日本の投資家は9/18大引けの65,018.95円以降、4営業日ぶんの米国の値動きにまったく手を出せていない。9/24の寄りはその累計をギャップで一気に写す。しかも同じ日に「日銀の利上げが実際に効き始める」「米中の半導体規制が動くかもしれない」という2つの不確実性が重なるため、寄り付きの方向と後場の方向が食い違いやすい形になる。目盛りは、9/24の寄り値が9/18終値65,018.95円をどれだけ上回るか(祝日取引の+480円は下限の目安)、東証プライムの上昇比率が50%を超えるか(9/18は33.8%)、そして銀行・保険・証券の3業種が同じ方向に動くかどうかである。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 65,018.95 | +1.38% | 74% | 9/18大引け |
| TOPIX | 4,091.14 | −0.07% | - | 9/18大引け |
| S&P500 | 7,764.70 | +1.49% | 98% | 9/21終値 |
| NASDAQ総合 | 27,122.09 | +2.26% | 100% | 9/21終値 |
| SOX指数 | 12,433.17 | +4.29% | 74% | 9/21終値 |
| 米10年債 | 4.96% | −0.70% | 96% | 9/21終値 |
| VIX | 14.87 | +0.41% | 8% | 9/21終値 |
| ドル円 | 157.38 | +0.21% | 61% | 9/21終値 |
| ビットコイン | 86,488.50 | +6.59% | 42% | 9/21終値 |
並びとしては珍しい形になっている。NASDAQ総合が52週レンジ内位置100%=年間高値にいる一方で、米10年債4.96%も同96%と年間の高い側にいる。金利の重しがかかったまま高PER株が最高値を取りにいっている、という読みになる。VIXは14.87の同8%で、警戒感そのものはほとんど織り込まれていない。
日本側の数字は9/18大引けのまま更新されていない。TOPIXは−0.07%の小反落、東証プライムの上昇比率は33.8%(値上がり511/値下がり1,003)、日経225構成では28.0%だった。ビットコインは86,488.50ドル・+6.59%で、週足では50週移動平均線を45週ぶりに上抜けている。暗号資産関連株はBTCに1〜2日遅れて連動しやすいので、9/24の東京ではメタプラネット(3350)が動きやすい位置にある。ただしサークルの出来高は20日平均比0.94倍で、上昇に商いが伴っていない。
前回シナリオの答え合わせ
PARTIAL
東京が3営業日続けて休場のため、新しく検証できたエントリはない。直近の答え合わせは9/18向けのもので、判定は partial のままである。要点だけ再掲しておく。メイン50%で「高く寄って、後場に削る」、想定レンジ64,300〜65,400円に対し、終値65,018.95円も寄り値64,681.55円もレンジ内、主役の「半導体主導」も的中した。値上がり寄与はアドバンテスト+436.86円、東京エレクトロン+215.21円、キオクシアHD+110.05円で、上位3銘柄だけで上げ幅882.70円の86%を作っている。
外したのは3点。上昇比率を45〜60%と置いたのに実績は33.8%で下限を11.2pt下回ったこと、票決7対2がハト派と受け取られて後場に一時+1,300.32円まで買われ「高く寄って削る」ではなかったこと、売買代金を10兆3,969億円(前日比+45.3%)の大商いと見込めなかったことである。
9/19版に置いた9/24向けのエントリは、対象日がまだ来ていないので未検証のまま残っている。9/24に、本日ぶんのエントリとあわせて2本を検証することになる。累計は2026-09-22時点で検証26件、hit 9/partial 13/miss 4、的中率59.6%である。
次の取引日(9/24)のシナリオ
9/21米国セッションの半導体全面高を寄りでギャップに写したあと、前場で上値の重さを確認する形を本線に置く。半導体・値がさが主役を続ける一方、上昇比率は9/18の33.8%からいくらか戻るものの全面高には届かない、という想定である。上値では25日線の65,464円、その上に価格帯別出来高の最厚帯65,509〜66,522円(上方シェア58.2%)が順に構える。祝日取引の+480円には9/21の米株急騰が含まれていないため、実際のギャップはこれより大きく出やすい。
9/22・9/23の米国セッションでSOXが12,433.17を維持して続伸し、9/24の米中首脳会談で半導体輸出規制の緩和が伝わるなら、最厚帯65,509〜66,522円を上抜けて20日高値66,954.69円が射程に入る。ドル円158円台と上昇比率60%超が同時に揃うかどうかが条件になる。なお各シンクタンクの共通見解は「釜山休戦の1年延長が最有力で、半導体での意味ある譲歩は見込み薄」であり、ここは期待が先行しやすい側である。
本日9/22のGCC首脳会談が決裂してWTIが100ドル台へ急反発する、9/22〜24の米国債入札が不調で米10年債が5.10%を超える、SOXが−3%以上下げる、ドル円が155円を割れる——このいずれかが休場中に起きれば、9/24の寄りのギャップアップは埋められる。最初の目安は5日線64,014円で、その下は20日安値62,726.18円まで大きな支えが薄い。
無効化条件は5つ。9/24の終値が67,500円超または63,800円割れ、上昇比率が70%超、銀行・保険・証券が3業種そろって業種上位5位以内に入ること、SOXが9/22・9/23の2営業日で−5%以上下げることである。比較の基準はすべて9/18終値65,018.95円になる。
注目カレンダー
- ★ 9/22 NY時間 トランプ大統領とGCC首脳の会談(+イラク・ヨルダン) — 原油の分岐点。東証は休場で、結果は9/24の寄りに反映される。同日に米2年債入札もある
- ★ 9/23 米国時間 Meta Connect 開幕(ザッカーバーグCEO基調講演)/米5年債入札 — 東証は秋分の日で休場。22:45に米9月S&PグローバルPMI速報
- ★ 9/24 08:50 東証の連休明け初日。日銀の新政策金利1.25%の適用開始日で、同日に米中首脳会談 — 4営業日分のギャップと当日のイベント2件が重なる。09:30に9月じぶん銀行日本製造業PMI速報