/ 9/19(土)週末版
半導体高と原油急落——次の取引日は9/24
日経平均は9/18に882.70円高の65,018.95円で3日続伸したが、TOPIXは小反落し、上昇比率は33.8%にとどまった。東証は9/19〜23が3営業日連続休場で、次の取引日9/24に4営業日分のギャップが寄りに出る。
データ時点: 2026-09-19 週末(日本株=9/18大引け確定値/米国株・SOX・米セクターETF・商品・暗号資産・為替=9/18終値)
指数が上がった日に「何株が上がったか」を見ておくと、翌営業日の足腰が分かることがある。9/18の日経平均は882.70円高の65,018.95円で3日続伸したが、同じ日のTOPIXは3.05pt安の小反落で、東証プライムの上昇比率は33.8%だった。上げ幅の86%はアドバンテスト・東京エレクトロン・キオクシアHDの3銘柄が作っている。
その東京市場は9/19から23まで3営業日連続で休場に入る(9/21敬老の日、9/22国民の休日、9/23秋分の日)。土日を含めて5連休で、次の取引日は9/24(木)。その9/24は日銀の新しい政策金利1.25%の適用開始日であり、米中首脳会談の当日でもある。休みの間に米国は2営業日動くので、9/18分と合わせて4営業日分のギャップが寄りに乗る。
今日の要点
- 日経平均は+1.38%の65,018.95円で3日続伸したが、TOPIXは−0.07%の小反落。東証プライムは値上がり511/値下がり1,003で上昇比率33.8%、33業種の上昇はわずか5業種で、上位3銘柄を除くと指数の上げは+0.19%しか残らない。
- 米国9/18はクアドラプル・ウィッチング(約7兆ドル規模の期日)でS&P500 +0.17%・NASDAQ +0.39%・NYダウ −0.18%とほぼ動かなかったが、SOX指数だけが+2.78%。サンディスク+10.99%、マイクロン+3.92%とメモリが独走した。
- WTI原油は−6.32%の95.47ドルで100ドル割れ。ただし同じ日に銅は+1.96%で52週レンジ内位置96%の高値圏にいるため、原油安の理由は景気減速ではなく地政学プレミアムの剥落と読める。
ヘッドライン
米国は期日で横ばい、それでもSOXだけ+2.78%
9/18の米国市場は四半期に一度のクアドラプル・ウィッチングで、シタデル・セキュリティーズ集計によれば約7兆ドル相当のオプションが期日を迎えた(記録上2番目の規模)。それでも主要3指数はS&P500 7,650.50(+0.17%)、NASDAQ総合 26,522.54(+0.39%)、NYダウ 51,682.64(−0.18%)とほぼ動いていない。
動いたのは半導体だけだった。SOX指数は+2.78%の11,921.69で、内訳はサンディスク+10.99%、ウエスタンデジタル+4.13%、マイクロン+3.92%、ブロードコム+2.97%、エヌビディア+1.34%。逆行したのはデルの−3.46%である。背景にはDRAM価格が今四半期+50%、NANDが+60%上昇するという観測がある。
鎖の形は「AIデータセンター需要 → メモリ供給逼迫 → DRAM/NAND価格急騰 → 粗利率改善 → 株価の先回り」で、その答え合わせが9/30のマイクロン決算(ガイダンスは売上500億ドル・非GAAP EPS 31ドル・粗利率86%)にあたる。キオクシアHDはサンディスクと同じNANDの合弁工場を持つため、サンディスクの株価は事実上その先行指標として見ておける。目安になる水準は、SOXの12,000台回復(9/18終値11,921.69・52週レンジ内位置68%)、サンディスクの1,800ドル、キオクシアHDの53,553円(価格帯別出来高の最厚帯の上限)である。
日銀1.25%、適用開始は次の取引日9/24そのもの
日銀は9/18、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を1.00%から1.25%程度へ引き上げた。票決は賛成7・反対2で、反対した浅田・佐藤の両審議委員はいずれも据え置きを主張した側である。1.25%は1995年4月以来およそ31年ぶりの水準で、適用開始は9/24。植田総裁は「政策の局面が変化した」「基調物価は2%に大体ヒットしつつある」と説明した。
会見の中身そのものは中立寄りだったが、市場が値付けしたのは「反対2票」のほうだった。ドル円は会見前12:25の156.97円から19:01に157.95円まで円安に振れ(NY終値は156.85円)、日本2年債は1.860%→1.829%、10年債は2.990%→2.956%へ低下している。2年債と新しい政策金利1.25%の差は0.61ptから0.579ptへ縮んだ。追加利上げの織り込みはむしろ後退したという読みになる。
ねじれているのは株側である。利上げ当日にもかかわらず銀行業は−0.54%で33業種の13位、週間でも銀行−0.73%・証券−2.05%と売られた。見ておきたいのは、日本2年債1.829%が1.90%へ戻るか1.75%へ沈むか、10年債2.956%が3.00%を回復するか、ドル円の157円・158円・160円(介入警戒帯)、そして9/24に銀行・保険・証券の3業種がそろって上位5位に入るかどうかである。
WTIが−6.32%、次の分岐点は休場中の9/22
WTI原油は−6.32%の95.47ドルで、2日間で10%超の下落となり100ドルを明確に割り込んだ。サウジアラビアが主要パイプラインの能力を回復し代替輸送ルートを拡張したことで供給途絶懸念が後退し、米原油在庫の取り崩しが予想を下回ったこと、FRBの利上げによる需要減観測も重なっている。ただし1ヶ月では+11.23%、1年では+50.18%で、52週レンジ内位置はなお70%である。
経路は2本ある。ひとつは原油安→インフレ期待低下→長期金利低下→高PER株の割高感が薄れる流れ。もうひとつは原油安→資源・商社・鉱業の採算悪化→日本株のバリュー側が売られる流れで、9/18の東証では後者が先に出た(石油・石炭製品−1.88%、電気・ガス−2.24%が下位)。
ここで効いてくるのが銅である。同じ日に銅は+1.96%の6.72ドルで52週レンジ内位置96%にいる。原油と銅が逆方向に動いているなら、原油安の理由は需要の崩れではなく供給改善=地政学プレミアムの剥落と整理できる。次の分岐点は9/22のトランプ大統領と湾岸諸国首脳の会談で、これは東証の休場中に通過する。水準の目安はWTIの90ドルと105ドル、そして銅6.72ドルが高値圏を維持するかどうかになる。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 65,018.95 | +1.38% | 74% | 9/18大引け |
| TOPIX | 4,091.14 | −0.07% | - | 9/18大引け |
| S&P500 | 7,650.50 | +0.17% | 90% | 9/18終値 |
| NASDAQ総合 | 26,522.54 | +0.39% | 91% | 9/18終値 |
| SOX指数 | 11,921.69 | +2.78% | 68% | 9/18終値 |
| 米10年債 | 5.00% | +1.03% | 99% | 9/18終値 |
| VIX | 14.81 | −4.08% | 8% | 9/18終値 |
| ドル円 | 156.85 | +0.47% | 59% | 9/18終値 |
| ビットコイン | 80,883.42 | +5.86% | 34% | 9/18終値 |
数字の組み合わせが示すものは読みやすい。米10年債5.00%は52週レンジ内位置99%=ほぼ1年の最高水準で、高PER株にはそのまま逆風になる。一方でVIXは14.81の同8%と年間でも最も低い側にあり、日経VIも24.23(前日28.15)へ低下した。警戒は低いが金利の重しは最大、という並びである。
需給面では、東証プライムの売買代金が10兆3,969億円(20日平均比1.33倍)と大商いだった。ただし内訳を見るとキオクシアHD1銘柄で1兆8,189億円=プライム全体の17.5%を占めており、「相場全体に資金が入った」ではなく「一部に大量に集中した」と読むのが自然になる。
前回シナリオの答え合わせ
PARTIAL
9/18朝版はメイン50%で「高く寄って、後場に削る」、想定レンジ64,300〜65,400円を置いていた。終値65,018.95円はレンジ内(上から65%の位置)、寄り値64,681.55円も想定64,400〜65,100円の中で、主役の想定「半導体主導」も当たった。値上がり寄与はアドバンテスト+436.86円、東京エレクトロン+215.21円、キオクシアHD+110.05円で上位3銘柄だけで+762円=上げ幅の86%。NT倍率の15.67→15.89への拡大も想定どおりで、無効化条件3つはいずれも不成立だった。
外したのは3点である。第一に広がり。45〜60%と置いた上昇比率の実績は33.8%で、下限をさらに11.2pt下回った。「半導体主導だから広がりは伸びにくい」という定性的な読みは正しかったが、9/17の84.6%からの反動を「平均への回帰(50%前後)」で見積もったのが甘く、実際は逆側の極端まで振れた。9/11に自分で品質ログへ書いた「上昇比率の反動は平均への回帰ではなく逆側の極端まで振れうる」を、2回続けて適用できていない。
第二に時間帯の流れ。「後場前半は材料出尽くし、後場後半は連休前のポジション圧縮で削る」と書いたが、実際は票決7対2がハト派と受け取られ、後場に一時+1,300.32円の65,436.57円まで買われた。終値は寄り値より+337円で、「高く寄って削る」ではなく「高く寄ってさらに買われ、最後に少し削る」だった。トリガーに「票決の内訳」と書いておきながら、それが株高に効く経路を想定へ落とし込めていなかった。第三に商い。20日平均7兆9,180億円の回復か5日連続の平均割れかで両睨みにしたが、実績は10兆3,969億円(前日比+45.3%)の大商いで、イベントが重なる日の膨らみを小さく見過ぎた。
方向・レンジ・主役・NT倍率は当て、広がりの水準・後場の流れ・商いの規模を外したので partial とする。累計は2026-09-19時点で検証26件、hit 9/partial 13/miss 4、的中率59.6%である。
次の取引日(9/24)のシナリオ
連休中の米国の累計を寄りでギャップに写したあと、半導体一極集中の反動で上昇比率はいくらか戻るものの指数そのものは伸び悩む、という形を本線に置く。上値では25日線の65,464円、その上に価格帯別出来高の最厚帯65,509〜66,522円(上方シェア75.9%)が順に構える。上昇比率の想定は40〜60%で、9/18の33.8%からどこまで戻るかが分かれ目になる。
9/21・9/22の米国セッションでSOXが続伸し、CME日経225先物が65,500円以上、ドル円が158円台に乗るなら、25日線65,464円と最厚帯を上抜けて20日高値66,954.69円が射程に入る。条件は9/18に上げの86%を作った3銘柄の外側へ買いが広がることで、33業種の上昇業種数(9/18は5業種)が目盛りになる。
米10年債が5.10%を超えナスダックが−1.5%以上下げる、WTIが105ドルを超えて戻す、ドル円が155円を割れる——このいずれかが休場中に起きれば、9/24の寄りに下方向のギャップが残る。5日線64,014円割れが最初の目安で、その下は20日安値62,726.18円まで大きな支えが薄い。
無効化条件は、終値66,900円超または63,000円割れ、上昇比率65%超または25%未満、銀行・保険・証券が3業種そろって上位5位に入ること、SOXが9/21・9/22の2営業日で−5%以上下げることの4つ。比較の基準はすべて9/18終値65,018.95円になる。
注目カレンダー
- ★ 9/21 米国市場は通常取引(東証は敬老の日で休場) — SOXの動きが9/24の日本の半導体株に直結する。台風25号が関東最接近の予想
- ★ 9/22 トランプ大統領と湾岸諸国首脳の会談(東証は国民の休日で休場) — 中東情勢・原油高の打開が狙い。結果は9/24の寄りに反映される
- ★ 9/24 東証の連休明け初日+日銀の新政策金利1.25%の適用開始日、同日に米中首脳会談(半導体輸出規制・関税が議題) — 4営業日分のギャップと当日の大型イベント2件が重なる