2026-10-03 / 10/3(土)休日版
米雇用2.9万人増で利上げ観測が後退、夜間先物は69,760円 週明けは7万円が視野
米9月雇用統計は+2.9万人と予想を大きく下回り、10月の利上げ確率は約4割から16〜17%へ下がった。米株は続伸し、大阪の夜間先物は69,760円(+1,110円)。ただし米10年債は5.28%で引けており、週明けの高寄りは「金利低下」ではなく「利上げ回避の安心」に支えられたものになる。
データ時点: 日本株=10/2大引け/米国株・SOX・米セクターETF=10/2終値/大阪夜間=10/3 06:00終値・CME=10/2清算/為替・暗号資産=10/3朝
金曜夜の米雇用統計は、利上げを心配していた市場にとって「弱くてよかった」結果だった。雇用者数は+2.9万人と予想の3分の1にとどまり、10月FOMCでの利上げ確率は約4割から16〜17%へ急低下した。
ただ、米10年債は発表直後に下げたあと戻し、5.28%(+0.04)で引けた。株を押し上げたのは金利の低下ではなく、利上げを避けられそうだという安心のほうである。週明け10/5の東京は7万円手前まで高く始まる公算だが、その上げがどこまで広がるかは別の話になる。
今日の要点
- 米9月雇用統計は雇用者数+2.9万人・失業率4.2%・平均時給+0.1%と3項目そろって予想より弱く、7・8月分も計6.0万人下方修正されたため、10月利上げの理由が弱まった。
- 利上げ確率の低下を受けてNASDAQは+1.19%、SOXは+2.40%と上げたが、米10年債は5.28%で引けており、長期金利の高止まりという向かい風は残ったままである。
- 大阪夜間は69,760円(+1,110円)で10/5は高寄りの公算だが、7万円は予想PERで約17.8倍と直近38営業日の最高(17.66倍)を超えるため、上値では利益確定が出やすい位置にある。
ヘッドライン
米9月雇用統計は+2.9万人、失業率は4.2%へ上昇
非農業部門雇用者数は前月比+2.9万人で、予想の+8.4万〜9万人を大きく下回った。失業率は4.2%(予想4.1%)、平均時給は前月比+0.1%(予想+0.3%)。7月分は+2.1万人から−1.0万人へ、8月分は+16.2万人から+13.3万人へ修正され、2か月で計6.0万人の下方修正となった。
雇用の減速は賃金の伸びの鈍化につながり、インフレ再燃の心配をやわらげる。FRBが10/27〜28に利上げする理由が弱まり、金利に弱い値がさのハイテク株には重しが外れる方向に働く。一方で失業率の上昇は景気減速のサインでもあり、「弱い雇用=株高」と受け止められるのは、利上げ観測が残っている間に限られると見ている。
次の確認点は、10/5夜(日本時間23:00)の米ISM非製造業と、10/8未明のFOMC議事要旨、そして米10年債が5.2%を割れるかどうかである。
利上げ確率は16〜17%へ、米株は続伸
CME FedWatchの10月利上げ確率は、発表後に16〜17%(据え置き82.8〜84%)まで下がった(報道経由)。S&P500は+0.73%、NASDAQは+1.19%、ダウは+250.40ドル。エヌビディアは場中に237.87ドルの上場来高値をつけ、SOXは+2.40%だった。
ただし米10年債は統計直後に低下したあと戻し、5.28%(+0.04)で引けた。雇用が弱くても長期金利が下がらないのは、景気以外の理由で金利が高い状態が続いていることを示している。株高の燃料は「利上げしない安心」であり、金利そのものは高いまま、という点は週明けも意識しておきたい。
米10年債が5.2%を割れれば上昇の質が上がり、5.3%を超えれば安心が剥げやすい、という見方をしている。
大阪夜間は69,760円、10/5は7万円手前の高寄りが視野
大阪の夜間取引は69,760円(前日清算値比+1,110円)で終わり、CME円建ては69,910円だった。10/2の現物終値68,309.46円とは+1,451円(+2.1%)の差がある。夜間終値はボリンジャーバンドの+2σ(68,932円)を超え、+3σ(70,553円)の手前にある。
10/2は東証プライムの上昇比率が14.1%と中身の崩れた反落だったため、週明けは売られた銘柄の買い戻しが広がりやすい。一方、7万円は予想PERで約17.8倍に当たり、8月以降の最高(17.66倍)を上回る。夜間の水準ですでに「割安からの戻り」ではなく「レンジ上限を試す動き」に入っていると見ている。
寄り付きが夜間終値を上回るか、10時までに70,000円に届くか、上昇比率が50%を超えるかが、上げの広がりを測る目安になる。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 68,309.46 | −0.94% | 85% | 10/2終値 |
| TOPIX | 4,091.00 | −0.99% | - | 10/2終値 |
| S&P500 | 7,722.72 | +0.73% | 95% | 10/2終値 |
| NASDAQ総合 | 27,190.86 | +1.19% | 99% | 10/2終値 |
| SOX指数 | 13,136.67 | +2.40% | 82% | 10/2終値 |
| VIX | 15.31 | −6.59% | 10% | 10/2終値 |
| ドル円 | 157.83 | −0.06% | 64% | 10/3朝 |
| ビットコイン | 84,471.50ドル | −0.45% | 39% | 10/3朝 |
VIXは52週の下限近くまで下がり、米国の投資家心理は楽観に傾いている。ドル円は雇用統計後もほとんど動かず、米10年債が戻したことで利上げ観測の後退によるドル安が相殺された形である。
記憶装置だけが逆行安
SOXが+2.40%と上げた日に、記憶装置の銘柄だけが売られた。東芝がフィリピンで約3.8億ドルのHDD増産を進め、シェア30%を狙うとの報道を受けて、ウエスタンデジタルは−10.22%、シーゲイトは−10.21%。サンディスク(−3.79%)とマイクロン(−2.05%)も連れ安となった。
「AIデータセンター向けの記憶装置は供給不足が続く」という前提に疑問が出た形で、日本ではメモリ関連の週明けの重しになりうる。半導体の中でも、AI演算は上、記憶装置は下と明暗が分かれた点は、論点が「需要の強さ」から「供給の増え方」へ移り始めたサインかもしれないと見ている。なお、増産の数量に関する一次情報は確認できていない。
前回シナリオの答え合わせ
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
今回は、対象日を過ぎた未検証のシナリオがないため、答え合わせはお休みです。10/5向けに10/2夕刊版で立てたシナリオは、雇用統計の結果を受けて本日の版で差し替えた。
参考までに、夕刊版は「雇用が弱く米金利が低下すれば69,000〜69,800円」を強気シナリオ(25%)に置いていた。雇用は弱かったが、米10年債は5.28%へ上がり、条件にした「5.15%割れ」は起きていない。「雇用が弱くても金利が下がらない」組み合わせを想定していなかったのが反省点で、今回は指標の結果と金利の反応を別々の軸として置いている。
累計は2026-10-03時点で検証32件、hit 10/partial 16/miss 6、的中率56.2%。
次の取引日のシナリオ(10/5向け)
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
10/5は、利上げ回避の安心を寄り付きのギャップで織り込んだあと、7万円の手前でどこまで買いが続くかを見る日になる。上値の目安は+3σの70,553円と心理的な節目の70,000円、下値の目安は+2σの68,932円と5日線の68,038円である。
夜間先物にさや寄せして69,500〜69,800円で始まり、10/2に売られた銘柄の買い戻しで上昇比率は戻ると見ている。一方で70,000円はPER約17.8倍と直近の最高を超える水準で、前場のうちに届かなければ利益確定が出やすい。後場は夜のISM非製造業や週後半のFOMC議事要旨、10/9のSQを前に持ち高調整が入りやすい。東証プライムの上昇比率は45〜70%を目安にしている。
10時までに70,000円に届く、ドル円が158円台に乗る、米10年債が時間外で5.25%を割る。こうした条件がそろえば、7万円台を保って引ける上値余地が出てくる。その場合の上昇比率は60〜85%を想定している。
寄り付き後に夜間終値の69,760円を割り込む、メモリ関連が米国の記憶装置安を写して売られる、米10年債が時間外で5.3%を超える、ドル円が157円を割る。このいずれかが出れば、過熱を嫌った利益確定で上げ幅を削る下値リスクが高まる。高寄りの日は寄り天になりやすいため、強気より厚めに置いている。
無効化条件は、終値が70,500円を超えるか68,700円を割る、東証プライムの上昇比率が85%を超えるか25%を下回る、寄り付きが69,000円を下回る、のいずれか。これが出たら、上の組み立ては外れたものとして扱う。
注目カレンダー
- ★ 10/5(月)23:00 米9月ISM非製造業景況指数
- ★ 10/8(木)03:00 FOMC議事要旨(9月会合分)
- ★ 10/9(金)10月限SQ(10/12はスポーツの日で東証休場)