2026-10-23 / 10/23(金)朝版・寄り付き前
ナスダック2.6%安・SOX6.7%安、AI過剰投資の懸念で東京は続落スタートへ
夜のうちの米国はダウが横ばいの一方、ナスダックが2.60%、半導体のSOX指数が6.72%下げました。メタとテスラの決算をきっかけに、AIへの投資に資金と回収が追いつくのかという懸念が再び強まっています。大阪の夜間取引で日経平均先物は62,310円と、現物終値を598円下回りました。
データ時点: 米国株・SOX・米セクターETF=10/22(木)終値(前日比は10/21終値から計算)/米国の時間外=10/23 06:44/大阪夜間=10/23 06:00終値/CME=10/23 06:44/ADR=東証10/22終値比/PTSナイト=10/22 23:54〜10/23 04:36の最終約定/日本株=10/22(木)大引け確定/米金利・欧州株=株探(日本時間04:04)
けさの米国は「決算の数字は強いのに株は売られる」流れが、もう一段強まった一日でした。東京はその続きを、きのうの安値引けの水準より下から始める形になりそうだと見ています。
ダウ平均は11.89ドル高と横ばいでしたが、ナスダック総合は694.00ポイント安(−2.60%)、SOX指数は10/21比で−6.72%と大きく下げました。資金はハイテクから生活必需品・公益・ヘルスケアへ移っており、指数ほどの全面安ではありません。売られたのはAI・半導体に集中しています。
今日の要点
- 米国はナスダック−2.60%・SOX−6.72%で、ラムリサーチ−11.76%、AMD−8.10%、メタ−6.98%と大型のAI関連がそろって下げました。メタの設備投資の見通し引き上げで同社の信用リスクの指標が過去最高になり、AIへの投資の資金繰りへの不安が表に出ています。
- 中東では、米国とイスラエルが中間選挙後にイランへの攻撃を再開する計画との報道があり、ブレント原油は112.87ドル(+3.72%)に上がりました。一方で米国債は買われ、10年債利回りは4.949%(−0.170)まで下がっています。
- 東京では、大阪の夜間取引で日経平均先物が62,310円(−890円)でした。9月14日の安値62,726円を下回る位置で、ADR(米国で取引される日本株)は半導体・AIが下位、輸出・ゲームが上位に並んでいます。
ヘッドライン
AI過剰投資の懸念が再燃し、半導体と大型テックが一斉安
メタは好決算でしたが、通期の設備投資と総費用の見通しを引き上げたことが嫌気され、648.85ドル(−6.98%)で引けました。同社の5年物CDS(信用リスクの保険料)は年約1.19%と、取引が本格化して以降の最高水準です。テスラは年間の設備投資目標を250億ドル超から200億ドルに引き下げ、−3.08%でした。
投資を増やしたメタも、減らしたテスラも売られたのは、市場が「AI投資の資金と回収」そのものを疑っているためと見ています。エヌビディアのフアンCEOが「ネオクラウドの需要は桁外れに強いが、資金が不足している」と述べたことも、資金繰りの不安として受け止められました。ラムリサーチ(−11.76%)・KLA(−9.55%)・アプライド・マテリアルズ(−8.16%)と装置株の下げがとくに大きく、10/15・10/20・10/22に続く4回目の「AIの信用不安」の局面です。
この先は、SOXが下げ止まるか、メタのCDSがさらに上がるかを見ています。東京ではアドバンテスト・東京エレクトロンの寄り付きが最初の観測点です。
日経平均先物の夜間は62,310円、現物を598円下回る
大阪の夜間取引で日経平均先物(12月限)は62,310円と、日中の清算値から890円下げ、きのうの現物終値62,907.84円を597.84円下回りました。CMEの円建ては62,360円(6:44時点)です。ADRの東証終値比の乖離はアドバンテスト−2.7pt・ソフトバンクG−2.1ptが下位、ソニー+1.8pt・ホンダ+1.4pt・トヨタ+1.2ptが上位でした。
東京の値がさ半導体はきのう6〜7%下げて米国の下げの一部を先に織り込んでおり、PTSの夜間取引ではアドバンテスト−0.8%、ソフトバンクG−0.6%と下げは小さめです。ただしキオクシアは12,070円(−4.2%)と大きく、同業のウエスタンデジタルの決算の影響が出ています。ADRの数字は出来高が薄いため、順位と符号だけを見ています。
イラン攻撃再開の報道で原油高、米国債は買われる
ニューヨーク・タイムズは、米国が11月3日の中間選挙後にイスラエルとともにイランへの攻撃を再開する具体的な計画を作っていると報じました。米国はサウジアラビアの大使館の一部職員に退避を命じています。WTIは99.10ドル(+2.01%)、ブレントは112.87ドル(+3.72%)に上がり、防衛支出の拡大で見通しを上げたロッキード・マーチンは+6.96%でした。
原油高はインフレの粘りを通じて、PERの高い株の割高感を強めます。同じ不安から米国債が買われ、2年債・10年債とも利回りが約0.17%下がり、年内の追加利上げ観測は後退しました。ドル円は156円79銭まで円高が進んでいます。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 62,907.84 | −2.65% | 60% | 10/22終値 |
| NYダウ | 52,867.98 | +0.02% | 84% | 10/22終値 |
| S&P500 | 7,663.43 | −1.21% | 89% | 10/22終値 |
| NASDAQ総合 | 26,008.86 | −2.60% | 77% | 10/22終値 |
| SOX指数 | 10,731.98 | −6.72% | 53% | 10/22終値(10/21比の計算値) |
| VIX | 19.03 | +14.09% | 32% | 10/22 |
| ドル円 | 156.78 | −0.85% | 42% | 10/23 06:44 |
| ビットコイン | 81,360.54 | −3.16% | 41% | 10/23 06時台 |
CNNの恐怖強欲指数は19.8と、前日の31.4から1日で「極度の恐怖」に移りました。7項目のうち6つが極度の恐怖で、安全資産への逃避の項目(10)が最も低くなっています。極度の恐怖は逆張りの目安になりやすい一方、VIXはまだ20の手前で、投げ売りの最終局面と判断する材料はまだ足りないと見ています。
日経平均は5日・25日・75日の移動平均をすべて下回り、残る支えは200日移動平均(約61,333円、乖離率からの概算)です。大阪夜間の62,310円は、10/21の予想EPS(3,801.25円)で固定するとPER16.39倍にあたり、8月末からの期間の最低16.79倍を下回る水準です。
前回シナリオの答え合わせ
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
MISS
直近で検証が終わっているのは10/22朝版で、外れでした(きのうの記事で詳しく振り返っています)。時間外の向きが割れていたのを「打ち消し合い」と読み、実際は弱い方に寄りました。
きのうの夕刊で立てた10/23向けの見立ては、この朝版で見直したため検証の対象から外しています。夕刊で挙げた下振れの条件のうち、「NASDAQ総合1.5%超・SOX3%超の下げ」と「大阪夜間の62,500円割れ」の2つが点灯し、強気の条件(ウエスタンデジタルの時間外+5%超など)は1つも点灯しませんでした。累計は2026-10-22時点で検証45件、hit 12/partial 23/miss 10、的中率52.2%です。
今日のシナリオ
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
10/23(金)のシナリオです。けさは時間外の向きがそろって弱いため、きのうの反省から「打ち消し合い」は置かず、ギャップダウンを前提に組みました。8時30分の9月全国CPIで円相場が動けば、寄りの水準が変わる可能性があります。
寄りは大阪夜間の62,310円前後を想定しています。値がさ半導体はきのう先に下げており、PTSの下げ幅は小さめなので、寄り後の売りが一巡すれば62,000円の大台の上でもみ合う展開を見ています。米国と同じくディフェンシブ・内需に資金の逃げ場があり、空売り比率43.2%と売り方が多い点は下げ止まったときの買い戻しにつながります。上は9月14日安値の62,726円が戻りの壁で、週末の手じまいの売りも出やすい前提です。上昇比率(東証プライム)は35〜60%を目安にしています。
寄り後に62,000円を割る、7時に再開するNASDAQ100先物が1%超下げる、韓国・台湾株が2%超下げる、キオクシアが12,000円を割る、WTIが100ドルを超える、といった場合は、200日移動平均(約61,333円)の方向を試す展開を警戒しています。
NASDAQ100先物がプラス圏に戻り、アドバンテストがPTSの32,110円より上で寄って保ち、CPIが予想並み以下で円高が止まる場合は、前場に62,726円を回復して前日終値の近くまで戻す余地があると見ています。
外れと判断する条件は、終値が63,500円を超えるか61,000円を割る場合、上昇比率(プライム)が90%超か5%未満の場合、寄り付き(9:05〜9:15の水準)が63,200円超か61,500円未満の場合です。引けで62,726円の上を保てれば強気寄り、62,000円を割って引ければリスク側と見ています。
注目カレンダー
- 10/23(金): 9月全国CPI(8:30・予想2.1%)、ファナックの決算(引け後)、米10月PMI速報(22:45)
- 10/27〜28: FOMC(結果は日本時間10/29 3:00)、10/27はイスラエル総選挙
- 10/29〜30: 日銀会合(展望レポート)、10/30はキオクシア・東京エレクトロンの決算予定