2026-09-29 / 9/29(火)朝版・寄り前
米金利5.27%の配当落ち日
米10年債が一時5.27%と2007年6月以来の高さに上がり、米株は3指数そろって反落した。東京はきょう約300〜385円の配当落ちと大型株の株式分割が重なるため、見かけの下げではなく実質の騰落で地合いを測る日になる。
データ時点: 日本株=9/28大引け/米国株・SOX・米セクターETF=9/28終値/為替・暗号資産=9/28〜29朝/大阪夜間=9/29 06:00終値
きょうの東京は、見かけの数字にだまされないことが一番の仕事になる。9/29は配当落ち日で、日経平均は理論上約300〜385円下がって始まる。そこへ東エレク・キオクシア・イビデンなどの株式分割が重なり、前日比も出来高もいつもの物差しでは測れない。
外からの風は向かい風だ。米10年債は5.24%(一時5.27%)と19年ぶりの高さで、原油高が利上げ観測を押し上げている。金利に弱いメモリ株は日米韓で売られ続けており、10/1早朝のマイクロン決算を前に買い手が引いた状態にある。
今日の要点
- 米10年債が一時5.27%まで上がり、高PER株とメモリ株の割高感が意識されたため、NASDAQ −0.92%・SOX −1.61%と米ハイテクが売られた。
- きょうは配当落ちで日経平均が約300〜385円機械的に下がるうえ、分割銘柄は株数が増えて出来高が膨らんで見えるので、騰落は配当分を足し戻した「実質」、商いは売買代金で判断する必要がある。
- メモリ株はマイクロン決算(JST 10/1 05:30)を前に日米韓で連日売られている一方、アクセルがメモリ価格高で経常予想を85%上方修正しており、株価と業績の食い違いが広がっている。
ヘッドライン
米10年債が一時5.27%、米株は3指数そろって反落しSOXは−1.61%
9/28の米国市場では、ダウが−347.11ドル(−0.67%)、S&P500が−0.77%、NASDAQが−0.92%、SOXが−1.61%と下げた。米10年債は5.24%で引け、取引中には5.27%と2007年6月以来の水準をつけた。WTIはイラン協議の停滞で一時96ドル台半ばまで上がり、終値は93.24ドルだった。
原油高はインフレ懸念を通じて利上げ観測を強め、長期金利を押し上げる。10月の利上げ確率は約66%(出所によって66〜70%)で、金利上昇は高PER株やメモリ株の割高感につながった。MU −2.61%・SNDK −3.65%・ORCL −3.28%が売られる一方でNVDAは+1.68%と、AI関連の中でも選別が続いている。
見ておきたいのは、米10年債が時間外で5.2%を割るか5.3%に近づくかと、WTIが95ドルを超えるかである。
きょうは配当落ちと53銘柄の株式分割の権利落ちが重なる
3月・9月決算企業の配当落ちで、日経平均は理論上約300〜385円下がって始まる(前年実績ベース約303円、別の試算で約385円と幅がある)。大阪夜間の12月限は65,650円(+80円)で、これは配当落ちを織り込んだ水準だ。同じ日に東エレク1:5・キオクシア1:3・イビデン1:2など53銘柄の株式分割の権利落ちも来る。
分割後の値段は、9/28終値を換算すると東エレク約11,264円・キオクシア約17,780円・イビデン約11,155円に相当する。日経平均は除数の調整で分割の影響を受けないが、個別銘柄の株価の見た目は大きく変わる。株数が増える分、出来高は2〜5倍に見えやすく、商いの強弱は売買代金で見るのが確かだ。
目安は、日経平均が約65,500円(配当落ち後の実質横ばい)を上回れるかと、分割銘柄の初値である。
メモリ株は日米韓で連日の売り、マイクロン決算を前に買い手が引く
9/28はSKハイニックス−5.05%・サムスン−5.43%(いずれも9/23比)、キオクシアHD −4.37%(出来高0.63倍)と売られ、米国でもMU −2.61%・SNDK −3.65%・WDC −0.78%と続いた。東証の空売り比率は44.3%(+4.3pt)に上がっている。
金利が上がると、先の利益に期待する株ほど割り引きが大きくなり、メモリの持ち高を減らす動きが出る。マイクロン決算(JST 10/1 05:30)の前で新しい買い手が入りにくく、薄い商いの中で値を下げている形だ。一方、9/28引け後にはアクセルが生成AI需要によるメモリ価格の高騰を理由に経常予想を12.7→23.5億円へ上方修正しており、業績面では価格高の追い風が続いている。
焦点は、きょう10時台のKOSPIとSKハイニックスの動きと、キオクシアの分割後の初値・売買代金である。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 65,877.62 | −0.73% | 77% | 9/28終値 |
| TOPIX | 4,112.00 | −0.40% | - | 9/28終値 |
| S&P500 | 7,683.69 | −0.77% | 92% | 9/28終値 |
| NASDAQ総合 | 26,820.38 | −0.92% | 93% | 9/28終値 |
| SOX指数 | 12,465.24 | −1.61% | 74% | 9/28終値 |
| VIX | 16.07 | +8.07% | 15% | 9/28終値(9/25比) |
| ドル円 | 157.38 | −0.05% | 61% | 9/28(前日比は9/27→9/28) |
| ビットコイン | 83,279.29 | −1.40% | 37% | 9/28(前日比は9/27→9/28) |
東京の警戒感はすでに高い。日経VIは9/28に27.51(+35.52%)へ跳ねており、東証プライムの上昇比率は31.1%、売買代金は8兆2,028億円(20日平均比1.01倍)だった。NT倍率は16.02(−0.05)と小幅に下がっている。
ドル円は157.38円とほぼ横ばいで、9/29朝7時台は157.40円前後だった。商品では金が−3.77%と大きく下げ、利息を生まない資産に金利上昇の重しがかかっている。国内の新発10年債は3.085%(一時3.095%)で、金利上昇は保険・銀行には追い風、メモリ・高PER株には逆風という二極化が続く。
前回シナリオの答え合わせ
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
MISS
9/28向けのメインは「権利取りで小高く始まり、75日線で頭を抑えられる66,100〜66,900円のもみ合い」だった。実際の終値は65,877.62円(−486.58円)で想定の下限を222円下回り、リスク・シナリオ「金利と原油で6日ぶり反落(65,600〜66,100円)」の中で引けた。上昇比率も想定45〜60%に対して31.1%で、大きく外れている。
「小高く始まる」(寄り66,505.94円)までは合っていたが、実際はもみ合いではなく一時67,000円台まで上に振れてから下げる動きだった。見落としは、韓国の秋夕連休明けを強気のトリガーとしてしか置かず、連休中の金利上昇と原油高をまとめて織り込む下振れを想定しなかったことだ。9/26のFRB高官のタカ派発言から米株先物安に至る経路も拾えていなかった。
累計は2026-09-29時点で検証29件、hit 10/partial 13/miss 6、的中率56.9%である。
今日のシナリオ(9/29向け)
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
きょうの騰落は、配当落ち分を足し戻して9/28と比べる必要がある。大阪夜間の12月限は65,650円(+80円)で、配当落ちを織り込んだ価格である。下には25日線65,296円と5日線65,381円が控え、上には75日線66,637円がある。
配当落ち後の実質横ばい〜小安い展開を想定している。25日線65,296円を下値の支えに保てれば、見かけの下げほど地合いは悪くないと読める。上昇比率は35〜55%を目安にしている。
KOSPIとSKハイニックスが反発する、米10年債が時間外で5.2%を割る、上昇比率が60%を超える。こうした条件がそろえば、配当落ちを吸収して66,000円台が視野に入る。
米10年債が時間外で5.27%を超える、KOSPIが続落する、分割銘柄が初値から売られる、上昇比率が30%を下回る。このいずれかが起きれば、25日線65,296円を割り込む下値リスクが高まる。
無効化条件は、終値が66,400円を超えるか64,700円を割る、上昇比率が70%を超えるか25%を下回る、保険・銀行が33業種の下位5位に入る、のいずれか。これが出たら、上の組み立ては外れたものとして扱う。
注目カレンダー
- ★ 9/29 15:30 投資部門別売買動向(9/14〜18週)
- ★ 9/30 21:30 米8月PCE+GDP確定値(コア前年比約3.4%予想)
- ★ 10/1 05:30 マイクロン FY26 Q4決算/08:50 日銀短観(大企業製造業DI予想+25〜26)