2026-10-01 / 10/1(木)夕刊版・東証大引け後
マイクロン好決算で日経平均2,203円高
マイクロンの好決算で日経平均は2,203円高の68,956円まで駆け上がったが、東証プライムの値上がりは半分だけで、上げは半導体に集中していた。夜は米10年債が5.33%台へ上がり、夜間先物は520円安で戻ってきている。
データ時点: 日本株=10/1大引け/米国株・SOX・米セクターETF=9/30終値(10/1は寄り前)/大阪夜間=10/1 19:00/為替・暗号資産=10/1夕
きょうの東京は、指数の上げ幅と相場の広がりを分けて読む日だった。日経平均は68,956.72円(+2,203円・+3.30%)と大きく上げたが、東証プライムの値上がりは750、値下がりは747でほぼ半々にとどまった。
上げを運んだのは、マイクロンの好決算を受けた半導体株である。報道ベースでは、アドバンテスト・東エレク・ソフトバンクG・ファストリの4銘柄で上げ幅の約3分の2を占めた。指数だけ見れば全面高だが、中身は「半導体の局所買い」に近い。
今日の要点
- マイクロンの売上と次の四半期の見通しがともに予想を大きく上回り、AI向けメモリの需要不安が後退したため、装置株・メモリ・電子部品に買いが集まった。
- 値上がりと値下がりがほぼ同数で、NT倍率は16.69(+0.44)へ急拡大したため、指数の強さほど相場全体は強くなく、半導体が崩れると指数も戻されやすい形になっている。
- 米PCEが予想を下回り10月利上げ観測は後退したのに、米10年債は景気の強さと財政不安で5.33%台へ上がり、大阪夜間は68,490円(−520円)で戻ってきている。
ヘッドライン
マイクロン好決算で日経平均は2,203円高、上位4銘柄で上げ幅の約3分の2
マイクロンの第4四半期(FY26 Q4)は、売上542.3億ドル(予想509.7億ドル)、EPS 33.42ドル(予想31.52ドル)だった。次の四半期の売上見通しも約615億ドルと、市場予想の約570億ドルを大きく上回っている。東京ではアドバンテストが+9.78%(寄与約+722円)、レーザーテックが+11.14%、東エレクが+6.47%と装置株がそろって上げ、キオクシアも+5.55%で売買代金9,895億円と東証首位になった。
AI向けメモリの需要が会社の見通しまで含めて強いと確認されたことで、9/28に韓国でメモリ株が売られた「先の需要への不安」が後退した。買いは電子部品にも広がり、村田製作所が+8.43%、太陽誘電が+8.32%だった。日経平均は値がさの半導体株の比重が大きいため、指数だけが大きく押し上げられた面がある。
注目は、マイクロン自身の10/1の米国での株価(時間外は約−1.2%)と、アドバンテストが10/2も上値を伸ばせるかである。
指数は+3.30%でも値上がりは半分、NT倍率は16.69へ急拡大
TOPIXは+0.57%にとどまり、33業種で上げたのは11業種だった。上位は電気機器(+3.78%)・精密機器(+2.47%)・非鉄金属(+2.22%)、下位は石油石炭(−2.97%)・銀行(−2.44%)・保険(−2.31%)である。売買代金は8兆7,229億円(20日平均の1.06倍)で、そのうち日経225採用銘柄が82.5%を占めた。日経225の構成銘柄でも値上がりは107、値下がりは115と半分を下回っている。
半導体に資金を集め、その分を銀行・保険・資源から引き出した形だ。日経平均だけを見ると全面高に見えるが、相場の広がりは伴っていない。上げが一部の銘柄に偏っているぶん、その銘柄が崩れたときに指数が大きく戻されやすい。
NT倍率16.69の拡大が続くか、上昇比率が戻るか、銀行株が切り返すかが次の確認材料になる。
米PCEは予想下回りでも、米10年債は5.33%台へ上昇し夜間先物は520円安
8月のコアPCEは前月比+0.2%(予想+0.3%)、前年比3.0%(予想3.3%)と予想を下回った。10月の利上げ確率は約71%から35〜47%へ下がっている。一方で4〜6月期GDP確定値は年率2.2%へ上方修正され、ダウは9/30に443.87ドル安と3日続落した。米10年債は9/30に5.29%、10/1夜には5.33%台まで上がり、大阪夜間は日中清算値69,010円から19時に68,490円(−520円)へ下げている。
物価が落ち着いたことで利上げ観測は後退した。それでも長い期間の金利が上がるのは、景気の強さと財政への不安が金利を押し上げているためだ。株の割引率が上がる形になり、2日で3,475円上げた半導体株には利益確定の口実を与えやすい。
今夜23:00の米ISM製造業、米10年債が5.35%を超えるか、あす21:30の米雇用統計が焦点になる。
主要指数
| 指数 | 値 | 前日比 | 52週位置 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 68,956.72 | +3.30% | 88% | 10/1終値 |
| TOPIX | 4,131.98 | +0.57% | - | 10/1終値 |
| S&P500 | 7,651.54 | −0.25% | 90% | 9/30終値 |
| NASDAQ総合 | 26,861.06 | +0.24% | 94% | 9/30終値 |
| SOX指数 | 12,628.62 | −0.00% | 76% | 9/30終値 |
| VIX | 16.48 | +0.86% | 17% | 10/1 |
| ドル円 | 157.96 | +0.35% | 65% | 10/1(対9/29) |
| ビットコイン | 83,919.6ドル | +0.44% | 38% | 10/1 |
日経平均とTOPIXの上げ幅の差(+3.30%と+0.57%)が、きょうの偏りをそのまま映している。日経平均のPERは10/1終値で約17.82倍(計算値)となり、直近36営業日の最高だった17.66倍を超えた。日経VIは22.92(+4.99%)で、場中には一時27.26まで上がっている。
米国は9/30にダウが−0.86%と下げる一方、NASDAQは+0.24%とテクノロジーが支え、セクターではXLK(+0.64%)が上位、生活必需品のXLP(−1.53%)が下位だった。ドル円は日銀9月会合の「主な意見」を受けた円売りで、19時には158.35円前後と158円台に乗せている。国内の10年債は3.095%(一時3.110%)だった。
日銀短観は大企業製造業+24、ニデックは監査意見不表明で急落
日銀短観の大企業製造業DIは+24(予想+25、前回+22)で、6四半期連続の改善となった。AI関連の需要が支えている。一方、大企業非製造業は+37から+35へ悪化し(予想+36)、燃料費と人件費の上昇が重荷になった。先行きは製造業+21・非製造業+30とともに低下を見込んでおり、10/29〜30の日銀会合に向けた利上げの決め手にはなりにくい内容だった。
個別では、ニデックが10.83%安の2,100円で引けた。監査法人のPwC Japanが、不正会計と品質問題を背景に十分な監査証拠を得られないとして、26年3月期の連結財務諸表への意見を出さなかった(意見不表明)。6,321億円の減損で最終赤字は5,646億円となり、株価は一時19.8%安の1,888円と年初来安値をつけている。社長辞任と減損額の確定で「出尽くし」を期待した9/30の買い(+4.67%)は、1日で崩れた形だ。今後は東証の対応と、1,888円の安値を割り込むかが焦点になる。
前回シナリオの答え合わせ
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
PARTIAL
9/30向けのメインは「大阪夜間66,310円にさや寄せして反発スタートし、マイクロン決算・米PCE・日銀短観を前に上値は重く、65,800〜66,400円で引ける」だった。反発という方向は合っていたが、終値66,753.72円はメインの上限を354円上回り、強気シナリオ(66,400〜66,900円)が的中した。上昇比率75.4%も強気側の数字である。
見落としたのは、マイクロン決算前の先回り買いと、TDK・太陽誘電などAI関連の買い戻しの強さだ。これらを上期末の持ち高調整より弱く見積もっていた。「決算前で新しい買い手は入りにくい」という読みは、結果として逆だった。
累計は2026-10-01時点で検証31件、hit 10/partial 15/miss 6、的中率56.5%である。
今日のシナリオ(10/2向け)
シナリオの読み方(メイン・強気・リスクの3本、確率とレンジ、外れたと分かる条件、的中率の計算)は 「シナリオとは」 にまとめています。
10/2は、2日で3,475円上げた反動と米金利の上昇を、どこまで消化できるかを見る日になる。大阪夜間は68,490円(−520円)で、上値の目安は20日高値の68,995円、下値の目安は5日線(約66,690円)と75日線(約66,733円)のある66,700円前後である(いずれも10/1時点)。
米金利の上昇と急騰の反動から、夜間先物にさや寄せして反落スタートを想定している。米雇用統計を控えて持ち高を大きく傾けにくく、20日高値(68,995円)の手前で上値が抑えられやすい。東証プライムの上昇比率は35〜55%を目安にしている。
ISMを受けて米10年債が5.3%を割る、NASDAQとSOXがプラスで引ける、マイクロンが時間外の下げを取り戻す。こうした条件がそろい、20日高値68,995円を終値で超えれば、69,000円台の定着が視野に入る。
米10年債が5.35%を超える、NASDAQが1%超下げる、アドバンテストが36,000円を割る、ドル円が介入などで157円を割る。このいずれかが起きれば、10/1安値近辺まで押し戻される下値リスクが高まる。
無効化条件は、終値が69,600円を超えるか67,300円を割る、東証プライムの上昇比率が75%を超えるか20%を下回る、電気機器が33業種の下位5位に入る、のいずれか。これが出たら、上の組み立ては外れたものとして扱う。
注目カレンダー
- ★ 10/1 23:00 米ISM製造業(前回55.2)
- ★ 10/2 21:30 米9月雇用統計(予想+9万人・失業率4.1%)
- ★ 10/27〜28 FOMC(10月利上げ確率はPCE後35〜47%)/10/29〜30 日銀会合(展望レポート)